2010年9月20日月曜日

「学校ICT化論」と学力

近年,デジタル教科書の導入の検討が盛んに行われています。
既に,100校を越える全国の学校で試験的に導入,検証されているところです。

この件に関するシンポジウムの様子が,昨日の某新聞の一面に掲載されていました。シンポジストは,文科省関係者,ICT推進派の大学教授(もと小学校教諭),経済関係者,情報・数学関係の大学教授,そして教科書会社取締役。
それぞれの立場から,学校のICT化の必要性と危険性等について発言があり,ほぼ想定範囲内のものでした。
結論を一言で言えば「適材適所」ということでしょう。

現代社会において,ICTの利便性,有用性,必要性について否定する者は,もはやいないといっても過言ではありません。
「国家の品格」の著者であり,このシンポジウムで基調講演を行った藤原正彦氏でさえ,ICTの存在価値は十分に認めるところのようでした。
ただ,いつも傍若無人に極論を言い放つ彼の言い分というか,考え方の面白いところは,学校に限定されない,もっと大きな教育という目で「ICT」を捉えているところです。

相変わらずの毒舌ぶりだったろうことは想像に難くないところです。
「コンピュータがどうこう言う前に,本。本に手をのばす子どもを育てれば,能力や意欲・態度が身に付き,結果としていじめや学級崩壊やさまざまな問題が解決するのだ」と。
当たらずとも遠からず,やはり藤原氏らしい論の展開で思わず笑ってしまいました。

シンポジストの方々の発言を読んで,子どもの学力について,社会との関係の中でもう一度捉え直す必要があると痛烈に思いました。

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